香典返しを準備する際、多くの人が「のしの書き方」「名前の記載方法」「表書きのルール」に迷うものです。
「のし」は、感謝の気持ちを伝える大切な役割を果たします。
このページでは、香典返しで用いる「のし」の基本的な書き方や注意点について、分かりやすく説明します。
「のし」に記載する名前の選び方
香典返しの「のし」には、一般的に故人の家族である「喪家」の名前を記載します。
通常、以下のような書き方が一般的です。
- 名字のみ
- 名字＋家
例として、「田中」や「田中家」と記載します。
また、喪主のフルネームを用いる場合もあります（例：「田中太郎」）。
さらに、喪主が結婚して名字が変わっている場合には、故人との関係を明確にするために旧姓を使うことがよくあります。
ただし、現姓を使用するケースもあり、家族で話し合って決めると良いでしょう。
表書きに適した言葉とは？
香典返しの「のし」に記載する表書きには、「志」が最も一般的とされています。
しかし、宗教や地域ごとに異なる表記が用いられることもあるため、注意が必要です。
通常は、黒白の結びきり水引きとともに「志」と書き、感謝の気持ちを表します。
宗教ごとの表書きの違い
宗教や地域の風習に応じて、表書きの選び方を変えることが大切です。
- 仏式：「志」「忌明」「満中陰志」「粗供養」など
- 神式：「今日志」「偲び草」など
- キリスト教式：「偲び草」「召天記念」など
たとえば、西日本では、四十九日を迎えた頃に贈る香典返しの表書きとして「満中陰志」がよく使われます。
「中陰」とは、故人が亡くなってから四十九日間の期間を指す言葉です。
このように、宗教や地域の特色を考慮して適切な表書きを選ぶよう心がけましょう。
地域による水引きや表書きの違い
香典返しで使用される水引きや表書きには、地域ごとに異なる習慣が見られることがあります。
例えば、中国・四国・九州地方の一部では「茶の子」という表記が用いられる場合があります。
また、関西や北陸地方では、一般的な黒白の水引きではなく、黄白の水引きが使用されることもあります。
地域ごとの慣習に配慮しながら、適切な選択をすることが大切です。
墨の色の選び方
香典返しの「のし」に書く際の墨の色も、重要なポイントです。
「薄墨」と「濃墨」には、それぞれ異なる意味が込められています。
- 薄墨：予期せぬ訃報による悲しみを表し、涙で墨が薄れた様子を象徴します。そのため、急ぎ用意する香典返しや喪中の間に使用するのが一般的です。
- 濃墨：四十九日を過ぎて喪が明けた後には、気持ちを新たにする意味を込めて濃墨を使うことが推奨されています。
ただし、薄墨を一貫して使う地域や家庭もあるため、その場合は薄墨で統一するのが良いでしょう。
家庭や地域のしきたりを尊重して、適切な墨の色を選んでください。
香典返しは、故人への想いと感謝の気持ちを込めた贈り物です。
「のし」の正しい書き方やマナーを守りながら、心を込めて準備しましょう。
内のしと外のしの選び方
香典返しに使用する「のし」には、内のしと外のしの2つのスタイルがあります。
- 内のし：包装紙の内側にのしをかける形式
- 外のし：包装紙の外側にのしをかける形式
それぞれの使い分けのポイントは以下の通りです。
- 直接手渡しする場合
外のしが一般的です。のしが見えることで感謝の気持ちをしっかりと伝えることができます。 - 郵送する場合
内のしが適しています。のしが包装紙の内側に収まるため、輸送中に破損するリスクが軽減されます。
さらに、地域の習慣によっても選び方が異なることがあります。
たとえば、関東では内のし、関西では外のしが主流とされています。
地域の風習や贈り先の状況を考慮して適切なスタイルを選びましょう。
まとめ
香典返しにおける「のし」のマナーやルールは、地域や宗教、家庭ごとの習慣によってさまざまで、迷うこともあるでしょう。
わからない点があれば、家族や親戚と相談しながら準備を進めると安心です。
また、香典返しを扱う専門店のスタッフは経験が豊富で、的確なアドバイスをしてくれるため、相談相手として活用するのもおすすめです。
香典返しの「のし」は、故人への想いと感謝を伝える大切な要素です。
基本的なルールを理解しつつ、心を込めて準備を整えましょう。
